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イタリア視察記 Part.4 ~ヴィラ・デステ~





こんにちは。今回ご紹介する『ヴィラ・デステ』はローマから東へ
30km離れた所にある、ティヴォリという避暑地です。前回、ご紹介した
『ヴィラ・アドリアーナ』も同じティヴォリにあり、古代ローマ時代から富豪や
貴族が豪華な別荘を構えた云わば、超高級リゾート地でもあります。

その中でも、4.5ヘクタール(東京ドームの建築面積とほぼ同等)という広大な
敷地に世界遺産、ヴィラ・デステはあり、庭園内には様々な噴水や彫刻物が存在し
イタリア一の噴水庭園と云われております。そして、庭園内に存在する噴水全てが
ポンプなどの特別な動力を用いずに、自然の力のみで吹き上げられているのです。

それでは、そのイタリア一の噴水庭園をお楽しみ下さい・・・。



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まず、こちらの壁泉です。『ヴェヌスの噴水』という名で、壁面の
彫刻が非常に細かいのがお分かり頂けますでしょうか?

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そして、こちらが庭園内のテラスからの眺めです。

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このヴィラ・デステは見晴らしのよい山腹にあり、急斜面を利用し、大まかに三段の
テラスに分けられています。これがルネッサンス式庭園の最大の特徴でもあります。
噴水を動力を用いずに、何メートルも吹き上げられるカラクリはこの急斜面にあるようですね。

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建物は左の写真のような感じで、右が室内の写真です。
室内も充分楽しめるのですが、あくまでも今回は庭園のご紹介にこだわりたいと思います。

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そして、こちらが有名な三段に滝を重ねた『百の泉』です。百の泉の水の吐き出し口は
一つ一つ違う顔になっており、100メートル程、延々と小路が続いております。

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小路を抜けると見えてくるのが、『卵形の噴水』です。

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この卵形の噴水、別名『ヴィーナスの噴水』とも言い、エステ荘庭園の噴水の女王と
呼ばれており、庭園内にある、噴水の水の取り入れ口になっているそうです。

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まるで迷路のような庭園内の小路を抜けると見えてくるのが・・・

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ヴィラ・デステの中でも最も有名かつ最高傑作と云われている『オルガンの噴水』です。

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何故オルガン・・・?実は、その昔、水仕掛けのオルガンで音色を奏でられたそうです。
残念ながら現在はその演奏を聴くことはできませんが今尚高い評価を得ています。

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そしてオルガンの噴水の下に見えるのが『ネプチューンの噴水』です。
後ほど下からの眺めもご覧頂きたいと思います。

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緑も多く、壮観な景色が当時の貴族の豪華さを物語っていますね。

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そして一行が次に向かった先が・・・

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こちらの『ドラゴンの噴水』です。

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噴水の周りにアプローチがあり、降りていくとその全貌が見えてきます。

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本当にポンプなどを使っていないのか?っと思わず疑ってしまうほど水が吹き上がっています。

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完成当時は噴水史上の革命とまで言われたそうです。
先人は偉大なり、とは正にこの事ではないでしょうか。

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そして、ドラゴンの噴水を背に階段を下って行くと大きな通りに出ます。

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90°視点を変えた先に・・・『オルガンの噴水』と『ネプチューンの噴水』が!!!

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私はイタリア一の噴水庭園と呼ばれる由縁が理解出来た気がします。
只の自己満足ではなく、誰が見ても楽しめる事を前提に此処が造られたのではないでしょうか。

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ご紹介が遅くなりましたが、そんなスケールの大きさが伺える庭園を造らせたのが、
エステ家の枢機卿イッポーリト・デステ二世という人物です。彼がローマ教皇の座を巡る争いに
敗れ、ティヴォリで隠居生活を始めたのが、このヴィラ・デステの歴史の始まりだったそうです。
そして、イッポーリト・デステ二世の死後、最終的に別荘を引き継いだ彼の甥に当たる
アレッサンドロ・デステこそが、この別荘のレイアウトを大幅に変えた人物だったようです。

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園内の所々にある百合と鷲の修景物についてですが、百合はキリスト教において純潔を意味し、
聖母マリアの象徴と云われる花です。鷲は家紋の様な物でデステ家の紋章だったのです。

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噴水は他にも、ローマ神話に登場する『女神ディアーナの噴水』や、

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『小舟の噴水』も。こちらは以前ご紹介したローマのスペイン広場にある
バルカッチアの噴水にデザインがよく似ていますね。

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小舟の噴水周辺を上から見下ろすとこんな感じです。

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別荘にしては豪華の度を越えている気もしますが、そこはやはり流石
『ローマ貴族』といったところでしょうか。

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こちらがティヴォリの町の風景です。綺麗な街並みなのですが、ヴィラ・デステを
見た後にこちらを見ると何だかスケールが小さく見えてしまいますね。

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如何でしたでしょうか?今回のイタリア一の噴水庭園『ヴィラ・デステ』
この視察記を書くにあたって書籍やインターネットで色々と調べた結果
(以前にも書きましたがこのイタリア視察記に私は同行しておりません・・・泣)
ヴィラ・デステの噴水の総数が200以上とも500以上とも記されておりました。
色々と余裕があれば数えに行ってみたいものです・・・。



さて、2009年も残す所あと僅かとなりました。今年の漢字は『変』でしたね。
本当に様々な変化があった1年となりました。来年度も皆々様の御健康と御活躍を願いつつ、
弊社スタッフ一同、全てが良い方向に『変』わって行くように精進して参りたいと思います。
2010年も、ユーロストン社をどうぞ宜しくお願い申し上げます。


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