« 2006年09月 | メイン | 2007年01月 »

2006年12月06日

Winter Songs~ロマンティックな冬の夜に寄せて~

クリスマスツリーが飾られ、赤や青や黄色のイルミネーションが華やかに街を彩る―
今宵は、そんな季節にピッタリの素敵なアーティストお二人をお迎えしました。

音大で本格的に声楽を学び、フランスの地で研鑽を積み、フランス歌曲からシャンソンまでジャンルを越えた独自のステージを展開するヴォーカリスト松澤須美さん。グラミー賞に二度ノミネートされた世界的ピアニストFred Hersch氏に師事し、ニューヨークにて腕を磨いたジャズピアニスト中村葉子さん。
関西を中心に活躍中のお二人のデュオコンサート!

黒の美しいドレスで大人の女性の歌をしっとりと歌い上げる須美さん、葉子さんの繊細で華麗なピアノとのコラボレーションが一つのドラマを創り上げていく。
切ない想いや、やるせない気持ち…いろいろな心情が伝わってくる。
シリアスで粋でカッコいい!
12.6B.JPG

須美さん「こんなタイプじゃないんだけどね~。でも、歌うときはそんな女性になって歌います!」
「結構、男らしい性格なんですよね~」と葉子さん。
軽快で楽しいトークにお客様も笑・笑・笑…
「ザ・クリスマスソング」、そして「枯葉」「シェルブールの雨傘」「セ・シ・ボン」などシャンソン名曲や映画音楽を熱唱。
印象的だったのが「ソー・イン・ラブ」―
マイクをはずし、須美さんならではの温かみのあるメゾソプラノの豊かな歌声を聴かせてくださいました。
12.6W.JPG

アンコールでは、お客様でお越しになっていたクラシックピアニスト藤渓優子さんの特別出演という嬉しいサプライズあり!ピアノデュオとヴォーカルで「ばら色の人生」を披露!!
12.6a.JPG

とっておきの贈り物にお客様もばら色の笑顔で帰途にお着きになりました。
とても気さくで楽しいお二人を囲んで、閉店(過ぎ?!)まで賑やかに盛り上がった今宵のアヴェンヌでした。

2006年12月05日

冬に舞うショパン

今宵、「ピアノの詩人」ショパンの珠玉の名曲が演奏された。
ピアノソロ・シリーズ第2章、ピアニスト林典子さんによる『冬に舞うショパン』―
「ワルツ遺作Op.69-1,Op.72-2」「エオリンアンハープ」「エチュードOp.10-6」「ノクターン遺作」「バラード1番」…美しい旋律がベルベットのような音色で奏でられる。
それも、今夜のドレスのような上質で深みのあるワインレッド!
豊かで艶があり、空気を包み込むような温かい音色なのである。
12.5back.JPG

林典子さんは現ベルリンフィルの首席コントラバス奏者ナビル・シェハタ氏の常任伴奏者として国際舞台で活躍、ローマ・ポルトガル・ミュンヘンの国際コンクールで優勝した実績を持つピアニスト。
ソリストからの信用は厚く、国内外の多くのアーティストとの共演、見事なアンサンブルで魅せる実力派。

良く聴きなれたショパンの作品が《典子・オブ・ザ・ワールド》では一味違った魅力を醸し出す…
「日本人は高い音に対して大変敏感に反応するので、海外アーティストの調律師も日本では高音のピッチを少し高めにします。」…など、音楽の楽しいお話やエピソードを交えてのライブに、お客様もフムフム…とうなずきながら聴いていらっしゃいました。
自然に耳と心に溶け込む演奏に、あっという間に3ステージが終わりを迎えました。
12.5.JPG

リクエストに応えて「バラード1番」をもう一度披露!!
ライブが終わっても、お客様との和やかな交流が続く『冬に舞い続けるショパン』の夕べでした。


2006年12月01日

遠い足音

12月のピアノソロ・シリーズ―
まず第1章は関西を中心に活躍中のピアニスト名取裕子さん。
『スペインの光と影』『我が祖国』『ラグタイム!ショータイム!!』など幅広いレパートリーで色々な世界を繰り広げる。

今夜は『遠い足音』…なんとなくノスタルジー!
秋の扉を閉じて、冬への第一歩を踏み出す…そんな今宵にふさわしいタイトル。

「考えるのが大好き!」な裕子さん、毎回工夫を凝らしたネーミングと選曲で素敵なステージを展開されるので大変楽しみなのです。
デュオを組んだヴァイオリニスト後藤はる香さんのヴァイオリンを題材にした『クレモナのヴァイオリン物語』では、神秘的なそのルーツを辿る旅のストーリーに思わず惹き込まれた。
もう一度、観たい!聴きたい!!

鮮やかな色のドレスがライトに映え、
ショパン「ノクターン第2番」「別れのワルツ」が美しく奏でられた。
「子犬のワルツ」のMCでは、飼い猫chanの話題に客席が湧く。
自分のシッポを追いかけてクルクルまわる様子が目に浮かぶような演奏に大拍手!
ヴェルディ《アイーダ》「凱旋行進曲』では、ダンディな紳士が指揮者のように腕を振りながら楽しそうに聴いてらっしゃいました!!
12.1.JPG


ラストはシューマンとクララ・シューマンの作品―
ノスタルジーに心あたたまる夜でした。